
(画像:松尾産業)
松尾産業は11月12日、中規模蓄電所の企画・開発から運用受託までを手掛ける完全子会社「松尾エナジー」を設立したと発表した。新会社の事業は、自社保有案件に加えて共同運営や他社案件も対象とし、系統用蓄電所の市場拡大を目指す。
設立初期は、松尾産業のエネルギーソリューション事業部と連携し、事業運営に必要な国内外のサプライヤー、建設会社、その他パートナー企業とのネットワーク構築を進める。蓄電池システムの機器販売を中心に、設備を稼働可能な状態で引き渡すターンキー方式を基本としつつ、顧客ニーズに応じた設備開発から運用支援までを包括的に提供する計画である。
松尾産業は2024年10月、北関東で蓄電所(蓄電容量:8〜10MWh)を開発する計画を発表し、2025年秋頃までの竣工を目指すとしていたものの、現時点では具体的な進捗を明らかにしていない。一方、同社によると、松尾エナジーはすでに複数の国内蓄電所案件を進めており、実運用を通じてノウハウやデータの蓄積を図るとしている。このことから、2024年10月に発表され北関東の計画が含まれている可能性もある。
国内の電力分野では、コスト上昇や需給変動の激しさを背景に、安定供給が喫緊の課題となっている。特に再エネは天候や時間帯によって発電量が変動するため、蓄電インフラの重要性が高まっている。しかし、用地確保、施工・搬入の制約、安全対策コスト、O&M(運用・保守)など多くの課題がある。
松尾産業は、自動車部品、塗料原料、機能性材料、研究開発装置などを扱う商社として事業を展開してきた一方、太陽電池セル・モジュールの開発・販売を担うなど再エネ分野でも長年に渡る実績を有している。2023年度からは、系統用蓄電池事業にも参入している。