
東北電力は6月2日、秋田県由利本荘市にある水力発電の「郷内発電所」の最大出力を従来の13.2MWから14.8MW(+1.6MW)へと12%引き上げたと発表した。
今回の増強は、水力タービンへの取水量を毎秒15m3から16.3m3に増やすことで実現したもので、設備更新を伴わずに出力の向上を達成している。
東北電力では、ダム式水力発電所において取水量の増加を通じた出力強化の取り組みを進めており、今回の郷内発電所での増強はこの手法を用いた3例目となる。
これまでには、2022年に新潟県阿賀町の「第二鹿瀬発電所」で55MWから57.2MWに、2025年5月には山形県朝日町の「上郷発電所」で15.4MWから16.2MWに出力を増強した。
同社は、合計約2.5GWにのぼる水力発電所を保有しており、運転開始から50年以上を経過し老朽化している設備も多い。こうしたなか、リパワリング工事(水車・発電機等の一括更新)による高効率化に加え、既存設備を活用した水量調整による発電能力の向上にも取り組んでいる。