
東北電力は6月9日、青森県青森市の水力発電所「上松沢発電所」(出力:5.4MW)を廃止したと発表した。
同発電所は1957年12月から67年間稼働しており、老朽化が進んでいた。一方で、青森県が建設中で治水や発電など複数の目的を持つ駒込ダムを活用した「新上松沢発電所」(出力:9.4MW)を新設する計画を進めている。
新上松沢発電所は、既存の導水路など一部設備を再利用しながら建設する。2024年3月に着工したが、駒込ダム建設の進捗に合わせて本格的な着工は2025年度内を予定しており、2031年11月の運転開始を予定している。
東北電力は2030年代までに2GWの再エネ開発目標を掲げている。同社は200ヵ所超(合計出力約2.5GW)の水力発電所を運営しており、2025年4月末時点で、運転開始済みの水力発電所が約0.89GW、開発中が約2.18GWの合計約3.07GWとなっており、既に目標を上回る規模の案件を確保している。
同社は老朽化が進む他の水力発電所についても積極的な更新・増強工事を進めている。新潟県津南町の「宮野原発電所」(出力:2.6MW)でリパワリング(水車、発電機等の一括更新)工事を完了したほか、山形県朝日町の「上郷発電所」(出力:16.2MW)や秋田県由利本荘市の「郷内発電所」(出力:14.8MW)などで、使用水量の増加により最大出力の向上を行った。