
NAS電池を事業化した(画像出典:日本ガイシ)
10月25日、日本ガイシとSustechはSustechの電力運用プラットフォーム「ELIC」を活用した蓄電所ファンドの設立に関する検討を開始したことを発表した。蓄電所ファンドは、SPC(特別目的会社)を設立し、蓄電所を運用する。
日本ガイシが有限責任組合員(LP出資)、Sustechが無限責任組合員(GP出資)とする蓄電所ファンドであり、投資家などからも出資を募る。「得られた収益は、配当として投資家に還元することでさらなる投資を呼び込み、新規の蓄電所設立を目指します。」とSustechは発表した。
両社は2023年9月に日本ガイシの蓄電池を活用した蓄電所の開発を国内で進めることを発表しており、今回連携の枠組みを拡大することになる。昨年発表された蓄電所の開発については、今年度中の運転開始を目指している。蓄電所の場所は明らかになっていない。
同蓄電所の電力は、「ELIC」のAI技術によって蓄電所の最適制御、運用、収益の最大化が行われ、卸電力市場、容量市場、需給調整市場での取引に活用する。
1919年に設立されたセラミックスメーカーの日本ガイシは、世界に先駆けてNAS電池を事業化し、東邦ガスが三重県津市で建設中の11.4MW/69.6MWhの蓄電所(2025年度に運転開始予定)やサーラエナジーが静岡県浜松市で開発中の蓄電所(2026年春頃に運転開始予定)などにも採用されている。