
地熱発電のポテンシャルが高いと言われている
医薬品の研究開発受託機関である新日本科学は4月10日、子会社のメディポリスエナジーが鹿児島県指宿市で建設を進めていたバイナリー地熱発電所(出力:625kW)の運転を開始したと発表した。
年間発電量は約4GWhを見込んでおり、発電した電力は全量FIT(固定価格買取制度)を通じて九州電力送配電に売電する。
同発電所は、敷地内の宿泊施設の浴用や床暖房に使用している泉源の余剰蒸気を活用した温泉発電所である。蒸気タービンを活用し、24時間安定して稼働できる仕組みだ。
新日本科学はメディポリス(社会的利益創出)事業の一環として、2015年より指宿市の豊富な熱資源と100万坪を超える広大な敷地を利用してバイナリー式の地熱発電所である「メディポリス指宿発電所」(出力:約1.5MW)を運営しており、今回の発電所はそれに続く取り組みである。
日本地熱協会の2024年4月時点のデータによると、国内で稼働する大規模地熱発電所(出力:1MW以上)は26件あり、その半数にあたる13件が九州エリアに集中している。これは、同地域が地熱発電に適した地域であることを示している。
また、経済産業省は2024年11月、多額の調査費用や地元との調整といった課題を抱える地熱発電の開発促進に向けた支援方針を、エネルギー基本計画に盛り込むと発表。2025年2月に策定された第7次エネルギー基本計画では、2023年度時点でわずか0.3%だった地熱発電の電源比率を、2040年度までに1~2%程度まで引き上げる方針を示した。
太陽光や風力発電といった変動制電源が急増する中、地熱発電は天候に左右されず安定供給が可能な再エネ電源として注目されており、地熱を活用したPPAも増加傾向にある。その一例として、2024年末に行われたデジタルグリッドによる第4回オークションでは、地熱発電所を活用した22.8MWのバーチャルPPAのマッチングが成立。さらに、2025年4月には蓄電池メーカーのパナソニックエナジーは、九電みらいエナジーと地熱発電所を活用したオフサイトPPAを締結したと発表した。