九州電力・川内原発の「設置変更許可」取り消し請求訴訟、2審も原告側が敗訴

2025年8月31日
川内発電所は新規制基準下で
初めて再稼働した発電所である

九州電力は8月27日、鹿児島県薩摩川内市にある「川内原子力発電所」1・2号機(各出力:890MW)をめぐる訴訟で、福岡高等裁判所は一審・福岡地裁判決を支持し、控訴を棄却したと発表した。この裁判では、地元住民が原子力規制委員会による設置変更許可の取り消しを求めていた。

訴訟の争点は、原子力規制委員会が定める「火山影響評価ガイド」の合理性と、新規制基準適合性審査における同委員会のリスク評価の妥当性。原告側は、破局的噴火(巨大噴火)のリスクを十分検討していないと主張したが、福岡高裁は、同委員会が周辺の火山について巨大噴火が差し迫った状況ではないと判断したことには相当の根拠があるとし、原告の主張を退けた。

川内原発1、2号機は、2011年3月の福島第一原発事故で運転を停止していたが、2013年の「新規制基準」施行を受けて、2014年に全国の原発で初めて適合性審査に合格し、2015年に再稼働した原発である。

2014年に原子力規制委員会が出した設置変更許可をめぐっては、2016年に鹿児島県や福岡県などの住民およそ30人が同許可処分の取消を求めて提訴。2019年に一審の福岡地方裁判所が住民側の訴えを棄却したため、原告側が福岡高裁に控訴していた。九州電力は、利害関係人として一審から訴訟参加している。

同発電所を巡っては、2012年〜2019年にわたり操業差止訴訟も提起されているが、2025年2月に鹿児島地裁が請求を棄却し、現在は控訴審が進行中である。

九州電力は今回の判決を受け、「これまでの国及び当社の主張が裁判所に認められた」とし、引き続き原子力発電所の安全運転に最優先で取り組む姿勢を示した。「九電グループ経営ビジョン2035」では、次世代革新炉の開発・設置に取り組む方針を示しており、国のエネルギー政策や需給見通しを踏まえながら、原子力の将来的な活用について検討を続ける考えだ。

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