
系統用蓄電所である(画像:大阪ガス)
大阪ガス、伊藤忠商事、東京センチュリーの3社は8月20日、大阪府吹田市に建設した「千里蓄電所」(11MW/23MWh)の運転を同日開始したと発表した。
千里蓄電所は、3社が共同出資するSPC(特別目的会社)千里蓄電所が保有しており、大阪ガスネットワークの千里供給所内、約2,200㎡の敷地に建設された。
この事業は、経済産業省の2022年度補正予算「再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金(系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業)」の採択を受け、約8.13億円の交付を受けて実施された。
伊藤忠商事は蓄電池とPCS(パワーコンディショナー)の調達と保守を担当。大阪ガスはアグリゲーターとして、卸電力市場、需給調整市場、容量市場で電力取引を行う。東京センチュリーは、事業性の評価およびSPCの運営支援を担う。
3社はこのほかにも、蓄電所事業に積極的に取り組んでいる。
大阪ガスは、佐賀県武雄市の「武雄蓄電所」(2MW/8MWh)においてJFEエンジニアリング、みずほリースの完全子会社であるエムエル・パワー、九州製鋼と共同出資している。また、北海道千歳市の「上長都蓄電所」(25MW/50MWh)では、三菱HCキャピタルエナジー、三菱地所、サムスン物産と共同出資している。両蓄電所とも、運転開始後の電力運用は大阪ガスが担う。同社は、系統用蓄電所および再エネ併設型蓄電池をあわせて、2030年度までに1GWの保有を目指している。
一方、伊藤忠商事と東京センチュリーは、両社で折半出資する合弁会社IBeeTを通じて蓄電池事業での連携を強化している。また、両社は2024年に東京都が設立した総額90億円の官民連携ファンド「東京都蓄電所投資事業有限責任組合」にも出資している。
また、伊藤忠商事は蓄電池メーカーのパワーエックスに出資。東京センチュリーは、再エネ事業や蓄電池事業での投資や提携を強化する一環として、テスホールディングスの株式を5%取得した。