
(画像:中部電力)
原子力規制委員会は1月6日の定例記者会見で、中部電力が福島第一原発事故後の新規制基準適合性審査において不適切な地震動評価を提出していたことを2025年12月に確認したとして、「浜岡原子力発電所」3・4号機(総出力:2.24GW)の安全審査を停止したことを明らかにした。
同委員会は2025年2月、中部電力の内部告発者からデータ改ざんに関する情報提供を受け、同年5月以降、同社と複数回にわたり協議を重ね、事実関係を調査してきた。同年12月18日に同社から事案に関する説明を受け、12月22日に予定されていた事前ヒアリングと、12月25日の審査会合を中止することを決定した。
中部電力は1月5日、本来は「20組の地震動とその代表波」のセットを一つ作成し選定すべきところ、多数のセットを作成し、その中から同社が意図的に「一つのセットの代表波」を選定していたとする不正行為があったことを発表した。不適切なデータは、原子炉の耐震設計要件を過小評価していた可能性がある。
原子力規制委員会の山中委員長は1月7日の記者会見で、「安全審査そのものをすべて見直す必要がある」との認識を述べた。今後の対応については、同委員会で議論を重ねていく方針だ。
浜岡原発3号機(電気出力:1.1GW)は1987年に、4号機(電気出力:約1.14GW)は1993年にそれぞれ運転を開始した。いずれも福島第一原発事故前の最後の通年稼働となった2010年度には、3号機は6.42TWh、4号機は6.8TWhを発電した。また、2005年に運転を開始した5号機(電気出力:1.38GW)については、まだ安全審査を申請していない。なお、1号機と2号機は、2009年に運転を終了している。
今回の影響を受ける浜岡原発3・4号機の年間発電量を合計すると、中部エリアの電力需要の約1割を賄える規模となる。同エリアの電力需要は、2026年1月8日までの365日間で約129.95TWhだった。