
(画像:出光興産)
出光興産は10月10日、兵庫県姫路市に建設した「姫路蓄電所」(15MW/48MWh)の運転を同日開始したと発表した。本件は、出光興産が手掛ける初の系統用蓄電所事業であり、同社の旧兵庫製油所跡地を活用して建設された。
事業主体はSPC(特別目的会社)である「合同会社姫路蓄電所」で、出光興産(出資比率:51%)のほか、レノバ(同22%)、長瀬産業(同22%)、SMFLみらいパートナーズ(同5%)の4社によって構成されている。
過半数を出資する出光興産が蓄電所の運用やメンテナンス、電力市場における取引を担当する。また、レノバは蓄電所のエンジニアリング業務や資金調達、合同会社の運営を担い、長瀬産業は蓄電池関連のエンジニアリングサポートを行う。SMFLみらいパートナーズは、プロジェクトファイナンスの組成を主導した。
蓄電所のEPC(設計・調達・建設)は日揮ホールディングスが担当し、2023年8月に着工した。
なお、本案件は経済産業省の2022年度補正予算「再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金(系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業)」に採択されており、約16億円の補助金を受けて実施された。
出光興産は運転開始にあたり、「これまで培った電力・再生可能エネルギー事業のノウハウや人材を活用し、蓄電池を用いたビジネスの収益モデルの確立を目指します」とコメントしている。
同社は現在、国内で100MWを超える太陽光発電所への出資実績を有しており、陸上風力、バイオマス、火力発電など多様な電源を保有している。一方で、出光興産が開発中の新たな蓄電所事業については現時点では確認されていない。