
仙台市環境審議会は1月6日、市内の新築建築物への太陽光発電の導入等を促進する「新築建築物への太陽光発電導入・高断熱化促進制度」について検討を進め、市長へ答申書を提出した。2027年4月1日の施行を予定している。
同制度は、中小規模建築物を新築するハウスメーカーなどの建築事業者を対象とした「中小規模建築物向け制度」および大規模建築物の新増改築を行う建築主を対象とした「大規模建築物向け制度」からなる。それぞれ一定の基準を満たす対象事業者および対象者には、設置基準量以上の太陽光発電設備の導入を求めるものである。罰則は設けず、積極的な取り組みを評価・表彰するなど事業者の取り組みを後押しする。
中小規模建築物向け制度は、戸建住宅や共同住宅、店舗など延床面積2,000m2未満の建築物が対象で、市内に延床面積合計で年間5,000m2以上を新築する建築事業者が対象である。市内の建築事業者約400社のうち約40社、市内の新築建築物約4,200棟のうち約6割が同制度の対象となる。
設置基準量(kW)は、設置可能棟数(棟)×算定率(市内一律70%)×棟あたり基準量(2kW/棟)で算出する。例えば、設置可能棟数が100棟の場合、設置基準量は「100棟×70%×2kW/棟=140kW」となる。新築するすべての建物に設置を求めるものではないことから、設置基準量に適合するよう事業者は建物ごとに設置の有無や設置規模を判断することとなる。
一方、大規模建築物向け制度はマンション・オフィスビルなど延床面積2,000m2以上の建築物が対象で、大規模建築物の新増改築(増改築にあたっては、増改築する部分の延床面積が2,000m2以上)の建築主が対象である。年間100件程度が対象となる見込みだ。
設置基準量(kW)は、設置可能面積(m2)×面積あたり算定量(0.15kW/m2)で算出される。設置可能面積は建築面積の5%もしくは建築面積から太陽光パネルの設置が困難な部分を除いた面積の小さい方を適用する。また、設置基準量には延床面積に応じた下限・上限値を設定する。例えば、建築面積600m2・延床面積4,500m2のマンションの場合、600m2×5%×0.15kW/m2=4.5kWで、下限値3kW・上限値9kWの範囲内のため、4.5kW以上の導入が必要となる。
市の試算によると、制度導入により2030年度までの4年間で、34MWの導入が見込まれる。これは仙台市地球温暖化対策推進計画で掲げる2030年度の再エネ導入目標である66MWの5割に相当する。
地方自治体による太陽光発電設備の設置義務化に関する制度は、国の方針とも方向性が一致している。政府は「第7次エネルギー基本計画」において、2040年度の電源構成について、太陽光は23〜29%を見通している。また、経済産業省と国土交通省は、2030年には新築戸建住宅の60%に太陽光を導入することを目標に掲げており、2025年10月には屋根設置型の太陽光発電設備の導入を促進するための「初期投資支援スキーム」が開始された。
仙台市のように太陽光発電設備の建物への設置を促進する事例として、京都府や群馬県では条例を制定。2025年4月には東京都と川崎市においても条例が施行されている。国が掲げる目標達成に向け、他の自治体においても今後同様の動きが広がっていく可能性がある。