
九州電力は1月29日、2028年10月までに大分・宮崎・鹿児島の水力発電所4ヵ所のリパワリング工事(水車、発電機等の一括更新)を開始すると発表した。発電所の出力は合計29.2MWと変わらないが、設備の効率向上により年間発電量は133.6GWhから155.3GWh(+16%)に増加するという。
初めに工事が始まるのは、大分県由布市の篠原発電所(出力:8MW)である。工事期間は2025年1月29日〜2028年3月。リパワリング後の年間発電量は33.5GWhから35.1GWhに増加する見込みである。
2ヵ所目の宮崎県延岡市にある新菅原発電所(出力:7.5MW)は2025年2月に着工し、2028年10月に完了する予定である。同じく宮崎県五ヶ瀬町の桑ノ内発電所(出力6.4MW)も、同時期に工事が始まり、2028年7月に完了する計画だ。これら2つの発電所の年間発電量は、それぞれ27.7GWhと32GWhから、リパワリング後はいずれも38GWhに増加するという。
最後に、鹿児島県南大隅町の雄川発電所(出力:7.3MW)が2025年2月〜2028年10月まで工事を実施する。年間発電量は40.4GWhから44.2GWhへと増加する予定だ。
篠原発電所は操業から110年と、4つの発電所の中で最も古く、雄川発電所も100年以上稼働している。他の2つの発電所は、運転開始から約70年が経過している。九州電力は水力発電所を138ヵ所、合計3.6GW保有しているが、いずれも老朽化が進んでいる。同社は現在、その他の水力発電所についてもリパワリング工事の準備を進めている。