
蓄電池を採用する(画像:パワーエックス)
九州リースサービスの完全子会社であるケイ・エル・アイ(以下、「KLI」)は5月8日、再エネ事業および系統用蓄電所事業を手がける新会社、「KLI新エネルギー合同会社」の設立を発表した。新会社には、九州電力グループで再エネ事業を担う九電みらいエナジーも出資しているが、出資比率は現時点で非公表としている。
KLI 新エネルギーは、FIP(フィード・イン・プレミアム)を活用した再エネ事業や、系統用蓄電所事業を行う。また、第1号案件として、KLIが福岡県嘉麻市に保有する敷地内に系統用蓄電所(2MW/8.2MWh)を建設する。
蓄電システムはパワーエックス製の大型定置用蓄電池とニシム電子工業製のEMS(エネルギー・マネジメント・システム)を採用。2025年5月中に着工し、2026年3月の運転開始を予定している。同蓄電所では、九電みらいエナジーがアグリゲーターを務め、卸電力市場や需給調整市場、容量市場で電力取引を行う。
九州リースサービスは、2027年度を最終年度とする中期経営計画において、環境分野への取組みの強化と新規事業への挑戦を掲げており、今回の合弁会社の設立もその一環と位置付けられている。
KLIは、九州エリアを中心にFIT(固定価格買取制度)認定を取得した太陽光発電所(合計出力:6.4MW)を保有しているが、今回の系統用蓄電所事業への参入は同社にとって市場価格を意識した初めての電力インフラ事業となる。一方、九電みらいエナジーは、太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力発電所を全国で保有しており、開発中の案件を含めた合計出力は1.3GWに達している。