中ノ森山風力、福島県で最大25.2MW陸上風力の環境影響評価手続きを完了

2025年8月9日
当初、同事業の開発にはゴールドマン・サックス・
リアルティ・ジャパンが携わっていた

中ノ森山風力は、福島県で計画中の「(仮称)中ノ森山風力発電事業」(最大出力:25.2MW)について、環境影響評価手続きを完了した。同社は6月20日に「評価書」を経済産業省へ提出し、7月18日付で承認を取得。これを受け、8月1日より評価書の縦覧を開始している。

同社は福島県葛尾村に出力4.2MWの風力タービン6基の設置を計画しており、そのうちの1基は浪江町との境界に建設する予定だ。

2025年11月に着工し、2028年7月に試運転、同年12月の運転開始を目指している。経済産業省によると、中ノ森山風力発電事業は2019年度にFIT認定を受けており、FIT価格は19円/kWh。

当初、中ノ森山風力発電事業は、ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン、福島県に拠点を置く磐栄運送、蒲田産業の3社によって開発が進められていた。2019年8月に環境影響評価手続きを開始し、「配慮書」の段階では、最大出力48MWの発電所を計画していた。

その後、再エネ開発事業者である地域エネルギー開発と、磐栄運送、蒲田産業の3社が共同出資する合弁会社ふくねっとを通じて設立されたSPC(特別目的会社)中ノ森山風力が事業を継承した。2020年1月に「方法書」、2021年6月に「準備書」を経て、最終的に「評価書」で最大出力を25.2MWに確定した。

地域エネルギー開発のポートフォリオには、秋田県山本郡の「峰浜風力発電所」(出力:4.9MW)、「三種風力発電所」(出力:7.47MW)、秋田県秋田市の「向浜風力発電所」(出力:7.5MW)、由利本荘市の「西目西ノ沢風力発電所」(出力:4.3MW)などがある。また、福島県双葉郡では「富岡復興メガソーラー・SAKURA」(29.9MW/DC、19.8MW/AC)も保有している。

中ノ森山風力発電事業の周辺地域では「葛尾風力発電所」(出力:15MW)や、住友商事、JR東日本エネルギー開発、レノバなど9社が共同出資するSPCの福島復興風力合同会社による「阿武隈風力発電所」(合計出力:147MW)など、大規模な風力事業が複数進行中である。また、東急不動産が進める「(仮称)福島飯舘風力発電事業」(最大出力:126MW)も環境影響評価手続きを進めている。

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