ユーラスエナジー、福井県で33.6MW陸上風力の環境影響評価書を公表、2028年10月運転開始へ

2025年5月28日
ユーラスエナジーは国内最大の陸上風力開発事業者である
(画像:ユーラスエナジー)

ユーラスエナジーホールディングス(以下、「ユーラスエナジー」)傘下の福井くにみ風力は5月23日、福井県福井市で計画中の「福井国見岳における風力発電事業(仮称)」(出力:33.6MW)について、環境影響評価書を公表した。着工は2025年10月、運転開始は2028年10月を予定している。

同発電所は約58haの事業実施区域に、出力4.2MWの風力タービンを最大9基設置する計画。2019年10月にSBエナジー(後のテラスエナジー、2025年4月1日付でユーラスエナジーに経営統合)が環境影響評価手続きを開始した当初は発電所の出力を51.6MWで計画していたが、段階的に規模が縮小され、出力33.6MWで最終確定した。

同発電所は2020年度にFIT(固定価格買取制度)の認定を受けており、FIT価格は18円/kWh。なお、陸上風力は翌年度から入札制度に移行している。ユーラスエナジーは今後、この発電所をFITで運用するのか、FIP(フィード・イン・プレミアム)に移行してPPAと組み合わせて収益化するのかについて、現時点では方針を明らかにしていない。

事業予定地周辺では、すでに複数の風力発電所が稼働している。2011年には電源開発が運営する「あわら北潟風力発電所」(出力:20MW)、2017年には北陸電力グループの日本海発電の「三国風力発電所」(出力:8MW)が運転を開始している。また、2024年4月には、ヴィーナ・エナジー・ジャパンの関連会社が建設を開始した「二枚田風力発電所」(出力:50MW)は事業予定地に隣接しており、2026年の運転開始を予定している。

また、近隣のあわら市沖合は、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づく「準備区域」に指定されており、将来の公募を見据えた環境影響評価手続きが複数進行している。電源開発は「(仮称)福井県あわら洋上風力発電事業」(最大出力:350MW)を、ヴィーナ・エナジーの関連会社は「(仮称)福井洋上風力発電事業」(最大出力:350MW)をそれぞれ単独で環境影響評価手続きを進めている。さらに、中部電力・北陸電力・OSCFが共同で「(仮称)あわら沖洋上風力発電事業」(最大出力:200MW)の評価手続きを開始している。

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