
アグリゲーションサービスを提供する(画像:ポート)
エネルギー分野で業務支援サービスを手掛けるポートは、アイルランドに本社を置くGridBeyondと、群馬県内で展開する系統用蓄電所の運用に関する業務提携を締結したと発表した。
ポートは、群馬県伊勢崎市と太田市に3ヵ所の蓄電所(各2MW/8MWh)を2025年10月までに順次開発する。「ポート群馬伊勢崎蓄電所①」および「ポート群馬太田蓄電所」は2024年11月に着工し、それぞれ6月10日と18日に運転を開始した。3ヵ所目となる「ポート群馬伊勢崎蓄電所②」は2025年5月に着工しており、同年10月頃の運転開始を予定している。総投資額は3ヵ所で約10億円で、ポートはこれらを通じて蓄電所市場への本格参入を進めている。
蓄電所の開発および運営はすべてポートが行い、GridBeyondがアグリゲーションサービスを提供する。運転開始後は卸電力市場での取引を皮切りに、3〜6ヵ月以内に需給調整市場に参入し、将来的には容量市場も視野に入れているとみられる。
GridBeyondは、AIを活用したエネルギー最適化サービスを強みとし、世界で2GW超のエネルギー設備を管理しており、今回の提携は日本における初の系統用蓄電所事業への参入となる。
変動性電源の増加に伴う調整力の需要の高まりを受け、他業種からの電力業界参入が活発化している。2025年2月には化粧品卸のフォーシーズホールディングスが、同年3月には衣料品小売のスターシーズが、それぞれ蓄電所事業への参入を発表している。
国内の蓄電所市場は2030年に758億円規模に拡大する見通しであり、外資系企業の進出も相次いでいる。ポートは今後、AIの活用による蓄電所事業の収益性の向上に加え、将来的には他社との協業も視野に入れているという。