
性能の再生事業等に取り組んでいる
ヒラソル・エナジー、JR九州、三菱UFJ信託銀行、芙蓉総合リースの4社は3月25日、九州エリアで経年化が進んでいる中小型太陽光発電所の買収とリパワリングに関して提携したと発表した。
4社は20年間のFIT(固定価格買取制度)契約が満了を迎えた太陽光発電所の再生事業に取り組むため、「百年ソーラー九州」を設立した。同事業では、匿名組合契約を通じて出資し、地元の肥後銀行が融資を行う。
百年ソーラー九州は、2027年までに10MW規模の中小型太陽光発電所の取得を目指している。取得した太陽光発電所については、ヒラソル・エナジーがアセットマネージメントを担当し、性能評価と分析を実施、リパワリングを行う。
国内の太陽光発電所の約9割を占める1MW未満の小規模太陽光発電所は、特に2012年以降のFIT制度導入により急増した。特に九州エリアでは、出力制御が多く経営状況が悪化したり、管理や修繕が不十分なケースが問題視されている。
芙蓉総合リースは、太陽光発電事業の運営ノウハウを活かし、FIT満了後も持続可能なビジネスモデルの構築に取り組む考えだ。また、JR九州は発電した電力や環境価値の活用に期待を寄せている。ヒラソル・エナジーは山梨県で同様のスキームを用いて「百年ソーラー山梨」を運営しており、18ヵ所、合計1MWの太陽光発電所を保有している。
現在、経済産業省は、太陽光パネルの廃棄や放棄に関する問題を認識し、地域社会との良好な関係を保ちながら、安定的かつ長期的に事業を運営できる事業者を対象に「長期安定適格太陽光発電事業者」認定の導入を検討している。認定を受けた事業者には、FIT/FIP変更認定時の地域住民への説明会等の取扱いなどに関して効率的に事業の運用ができるよう配慮する見込みだ。
今年2月には、沖縄県でENEOSリニューアブル・エナジーが運営する「うるまメガソーラー発電所」(出力:12.2MW/DC、12MW/AC)が塩害によりリパワリングを行うなど、発電所の経年化とともに今後対応が必要な発電所は増えていくとみられる。