
運転している(画像:タクマ)
環境プラント大手のタクマは6月9日、廃棄物処理事業などを手掛ける大晶より熊本県合志市に建設予定のバイオマス発電所(出力:1.99MW)のEPC(設計・調達・建設)契約を受注したと発表した。発電所の設備の引き渡しは、2027年7月を予定している。
同事業は、環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれた際、熊本県が中心となり提案した「阿蘇くまもと空港周辺地域RE100産業エリアの創造」の一環として実施する事業であり、「熊本県地域脱炭素移行・再エネ推進補助金」の採択を受けて事業を実施する。
発電所は、非FITのバイオマス発電所として運用する予定であり、発電した電力を地域の小売電気事業者を通じて、主に阿蘇くまもと空港周辺の企業や施設に供給される。燃料には、主に地元で調達した木質チップを使用する。
大晶はすでに合志市内でバイオマス発電所(出力:2.5MW)を運転しており、住宅の解体工事事業なども展開しているため、同事業で発生する木くずなどを1日最大126t燃料として活用している。同発電所では、発電する電力の一部を施設内で使用し、余剰電力は九州電力に売電している。
一方、タクマはこれまでにも2MW未満の高圧バイオマス発電所を数多く手掛けてきた実績がある。その一例として、2025年3月に運転を開始した三重県松阪市の「パワーエイド三重シン・バイオマス松阪発電所」(出力:1.99MW)には、同社製のボイラーが採用された。また、2025年4月に広島ガスが発表した広島県廿日市市に建設する「大野浦バイオマス発電所」(出力:1.99MW)では、タクマがEPCを担当する。