
非化石証書の取引に関する制度改正を受けFIPへ移行する
(画像:コスモエコパワー)
コスモエコパワーは3月26日、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)とバーチャルPPAを締結したと発表した。コスモエコパワーが運営する「中紀ウィンドファーム」(出力:48.3MW)の年間発電量101GWhのうち、約40%にあたる40GWh分の非化石証書を、今後16年間にわたりJR西日本に供給する。
両社は2024年8月に、鉄道事業における再エネ電力をさらに促進するため、バーチャルPPAを活用する基本合意書を締結しており、今回の契約はその延長線上で実現したものだ。これにより、JR西日本は初めてバーチャルPPAを締結したことになる。
2025年4月から施行される制度改正により、2022年度以前に運転を開始したFIT(固定価格買取制度)からFIP(フィード・イン・プレミアム)に移行した発電所のうち、発電事業者と需要家との間における非化石証書の直接的な取引が可能になることを受けてPPAを締結したとみられる。
中紀ウィンドファームは2016年度にFIT認定を受け、2021年4月に運転を開始した。20kW以上の陸上風力発電所のFIT価格は22円/kWhで、買取期間は20年間。FIP移行後は、2041年3月までプレミアム(供給促進交付金)を受け取る見通しだ。なお、JR西日本との契約に含まれない発電分の売電先については現時点で明らかになっていない。
エネハブのPPAデータベースによると、両社はこれまでに複数のPPAを締結しており、コスモエコパワーは33MWの新むつ小川原ウィンドファームを活用したAmazonとのオフサイトPPAを公表している。一方、JR西日本は関西・中国・北陸エリアにおける需要に対応するため、複数の太陽光発電所とのオフサイトPPAを締結している。