クボタ、営農型太陽光を4倍の20MWに拡大、栃木・茨城で15MW新設へ

2025年6月5日
自己託送制度を活用してクボタの製造拠点に電力を供給する(画像:クボタ)

クボタは6月2日、栃木県および茨城県の農地で新たに営農型太陽光発電所(出力:15MW)を建設すると発表した。これにより、既設の5MWと合わせて設備容量は合計20MWとなり、同社の営農型太陽光発電の規模は約4倍に拡大する。

新たに建設する発電設備は、営農型太陽光発電所のもとで農業を手掛けるアグロエコロジーと共同開発し、2025年12月から順次運転を開始する予定だ。

発電した電力は、クボタの筑波工場(茨城県)、京葉工場(千葉県)、堺製造所(大阪府)に供給する予定だ。なお、エネハブの取材によると、同社は自己託送制度を活用して電力を供給する。

今回の取り組みにより、圃場面積は既設の20haに60haを加えた計80haとなる見通しで、アグロエコロジーは太陽光パネルの下で米、小麦、大豆の栽培を担当する。

クボタは2023年から東京農工大学と共同研究を実施しており、太陽光パネル下での農作物の栽培効率や品質向上に向けた実証実験に取り組んでいる。また、営農型太陽光発電事業には2024年7月から本格的に始めた。すでに運転している発電所で発電した電力は筑波工場に全量供給しており、同工場で使用する電力の約9%に相当する。同社は、こうした実証や運用実績を背景に、今回発電事業の拡大を決めた。

政府は第7次エネルギー基本計画で、2040年度の電源構成に占める再エネ比率を4〜5割程度に引き上げる方針を示している。また、営農型太陽光発電は環境省の2024年度補正予算「地域共生型の太陽光発電設備の導入促進事業」の補助対象となっており、二次募集は6月10日〜7月8日まで受け付けている。

クボタは今後、農作物と再エネの地産地消システムの構築にも取り組む方針で、発電した電力の地域社会における利活用について検討を進めるとしている。

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