
オリックスは9月30日、大分県と山形県で、特別高圧の系統用蓄電所2ヵ所の建設を開始したと発表した。外部投資家の資金を活用して系統用蓄電所を開発するのは、同社として初めてとなる。
大分県の70MW/280MWh「由布蓄電所」は2028年、山形県の75MW/309MWh「米沢蓄電所」は2030年の運転開始を予定している。敷地面積はいずれも約10,000m²である。
出資者はオリックスと外部投資家3社で、出資比率はオリックスが23.7%、外部投資家3社の合計が76.3%である。外部投資家には三菱UFJ信託銀行の連結子会社が含まれ、残る2社は公表されていない。
オリックスは両案件で、蓄電所の開発と運営に関する意思決定支援や事業管理を行うアセットマネジメントを担う。建設中の保安管理業務および運転開始後のO&M(運用・保守)は、グループ会社のオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントが担当する。
商業登記簿によると、SPC(特別目的会社)の由布蓄電所合同会社と米沢蓄電所合同会社は、いずれも2026年2月4日に設立され、オリックスが業務執行社員を務めている。両案件は、これらのSPCを通じて開発されているとみられる。
補助金の活用は公表されていないが、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が発表した資料から、両蓄電所は経済産業省の2025年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」で交付決定を受けた案件である可能性が高い。その場合、交付決定額は由布蓄電所が約35.4億円、米沢蓄電所が約39.9億円となる。
オリックスの蓄電所案件としては、関西電力との折半出資で開発した和歌山県の48MW/113MWh「紀の川蓄電所」が2024年12月に運転を開始している。2023年度の長期脱炭素電源オークションで落札した滋賀県の134MW/548MWh「米原湖東蓄電所」は、2027年の運転開始を予定している。
アセットマネジメント領域の拡大は、オリックスグループの長期ビジョンで掲げる重点施策の一つである。同社は、蓄電所を含む再エネ分野でも第三者資金を取り入れて資本効率を高める方針だ。