バーチャルPPA第5回オークション、過去最大の31件・107MWが成立、デジタルグリッド

2025年7月25日
2025年度の制度改正により、第5回オークションでは
参加電源が大幅に増加した(画像:デジタルグリッド)

バーチャルPPAのマッチングプラットフォーム「RE Bridge」を運営するデジタルグリッドは7月2日、第5回オークションの結果を公表した。

同プラットフォームでは発電事業者と需要家のマッチング(価格合意形成を踏まえた商談申込)が合計31件(前回比+16件)、設備容量が107MW(前回比+70MW)成立し、過去最大規模となった。

今回のマッチング件数・容量が大幅に増えた背景には、2025年4月に制度改正が行われた影響が大きいとみられる。従来、発電事業者と需要家が非化石証書を直接取引できるのは、2022年度以降に運転を開始した非FIT電源に限られていた。しかし2025年4月より、2021年度以前にFIT電源として運転を開始し、その後FIPに移行した電源も対象に加わった。これにより、バーチャルPPAが締結しやすくなり、マッチング件数・容量ともに大きく伸長した。

第5回オークションは2025年5月7日〜6月27日に開催され、発電事業者98社が保有する発電所431ヵ所(合計容量:2.1GW)が参加した。これは第4回オークションの158ヵ所(合計容量:339MW)と比べ、発電所数で約2.7倍、設備容量で6倍超となる。マッチングが成立した設備容量も、前回(37MW)の約3倍となった。

今回のオークションでは、発電事業者の希望PPA価格の平均値は18.1円/kWh、需要家の平均値は17.8円/kWhとなり、前回の発電事業者および需要家の希望PPA価格であった19.0円/kWh(太陽光のみ)と比べ、やや値下がりした結果となった。

RE Bridgeは2023年に立ち上がったプラットフォームで、マッチング件数は第1回が1件(容量:0.5MW)、第2・3回が各12件(容量:各92MW)、第4回が15件(容量:37MW)と着実に実績を伸ばしている。また、第4回オークションでは初めてとなる地熱発電所(容量:22.8MW)を活用したマッチングも成立し、電源の多様化も進んでいる。

なお、RE Bridgeの利用料および会費は無料である。発電事業者と需要家の間でPPA契約を締結後、インバランスの負担を含む需給管理をデジタルグリッドが担うことで、同社はサービスを収益化している。

デジタルグリッドによると、次回の第6回オークションは2025年9月〜10月頃に開催する予定だ。

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