U-POWER、九州でFIP移行太陽光に蓄電池無償設置サービスを開始、発電所の買い取りも

2025年6月19日
U-POWERは将来的に同サービスを他エリアに
拡大することも検討している

U-POWERは6月17日、九州エリアにおいて太陽光発電所のFITからFIPへの移行と蓄電池併設支援サービスの提供を開始したと発表した。また、発電所の買い取りなどのサービスも同時に開始する。

対象となるのは、再エネの出力制御量の多い九州エリア内でFIPに移行する太陽光発電所である。U-POWERは、FIPへの移行手続きの支援に加え、蓄電池を無償で設置し、発電する電力の売電を代行する。また、出力制御によって発生する売電ロス相当額を事業者に支払う。また、発電所の売却を希望する事業者に対しては、発電所の買い取りサービスも行う。

U-POWERは同サービスの開始とともに、蓄電池を活用したアグリゲーター事業にも本格参入する方針だ。特にFIT単価が29円/kWh以上かつ出力500kW以上の発電所に対する関心が高いとみられる。現在の対象エリアは九州に限定しているが、将来的には他エリアへの展開も視野に入れている。

九州は2018年度に、国内で初めて出力制御が行われたエリアであり、出力制御が最も多い。九州電力送配電によると、2025年度には九州エリアにおける太陽光と風力による出力制御量が合計1TWhに達する見込みで、これは同エリアの再エネ全体の年間想定発電量の約6%に相当する。なお、2019年度の出力制御実績は459GWhであり、この後も増加傾向が続いている。

他エリアでも出力制御の拡大が進んでおり、2022年度には初めて九州以外のエリアでも実施された。現在では東京エリアを除く全エリアに広がっており、特に東北、北陸、中国、四国の各エリアでは、2025年度の出力制御率がいずれも2%を超える見通しである。

なお、今回のU-POWERの取り組みは、2024年11月にオムロンフィールドエンジニアリングと東京センチュリーが共同で開始したFIPへの移行支援サービスに続くものである。

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