
東京商品取引所(TOCOM)は7月29日、電力先物の新商品として、2026年春に中部エリアを対象とした商品を上場する予定だと発表した。新たに提供されるのは、「月間物」と「年度物」のベースロードおよび日中ロード商品である。
今回の発表は、2025年5月に電気新聞が報じた内容を正式に裏づけるものとなる。
TOCOMの電力先物取引はこれまで、東エリアと西エリアに限定されていたが、中部エリアとその他地域との値差をヘッジする需要の高まりを受けて、今回の上場を決めたとみられる。中部エリアには、トヨタ自動車やブラザー工業などの大口需要家が多数存在しており、2024年の中部エリアにおける電力需要は130TWhで、関東(281TWh)と関西(141TWh)に続き、第3位だった。
中部・関西エリアは、どちらも商用電源周波数50Hzのエリアであり、両エリアの卸電力価格は2021年半ばまで、一部の例外を除き、概ね連動していた。しかし、同年秋頃から、中部のエリアプライスが関西を上回る傾向が続いている。2024年には、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場における中部と関西の値差は平均1.08円/kWh、変動幅は-3.81円〜+10.41円だった。値差が0円(同額)だった日は9日間で、関西が中部を上回ったのはわずか4日間にとどまった。
今回のTOCOMの計画に先立ち、TOCOMと日本の電力先物の多くが取引されている欧州エネルギー取引所(EEX)では、デリバティブ(金融派生商品)需要の高まりを受けた新商品の導入が行われている。
TOCOMは、2025年5月に関東・関西エリアの電力先物市場で「年度物」取引を開始し、EEXも2月に平均価格オプションを導入、4月には時間限定のスクリーン(板)取引を追加し、関西エリアの日次先物の追加と中部エリアの先物の導入も検討している。
2024年時点で、日本の電力需要の約64%を関東・関西・中部の3エリアが占めており、続く第4位の九州エリアは約10%(87TWh)となっている。