Tensor Energy、グッドフェローズと業務提携、九州の低圧太陽光の買収とFIP移行を支援

2025年9月28日
出力制御の影響が顕著な九州エリアを対象とする

Tensor Energyは9月26日、太陽光発電所の売買サイト「タイナビ」を運営するグッドフェローズとパートナーシップ提携契約を締結したと発表した。両社は今後、九州エリアの低圧太陽光発電所の買収およびFITからFIPへの移行支援を共同で進める。

Tensor Energyによると、全国で約40万件(推計約25GW)の低圧発電所のうち、約15GWは中小企業や個人所有と推定している。こうした発電所の中には、FIT期間満了や相続を機に放棄されるものも増加傾向にある。また、出力制御の増加による売電収入の減少により、ローン返済の見通しが立たなくなるといった経済的リスクも顕在化している。

また、FIP制度のもとで発電所を運営するには、電力広域的運営推進機関への発電計画提出、需給予測、市場への入札対応などの専門業務が求められる。これらは高度な制度理解と運用能力が前提となるため、個人や中小規模の事業者が単独で対応することは難しいのが現状である。

こうした課題に対応するため、Tensor Energyは、特に出力制御の影響が大きい九州エリアにおいて、低圧発電所の買収と集約を進める方針を示している。買収が困難な案件については、FIPへの移行支援とアグリゲーションを通じて、既存オーナーの収益改善を図るという。また、グッドフェローズは、セカンダリー市場における発電所の売買促進を担う。

Tensor Energyは、2021年11月に設立されたスタートアップ企業で、再エネ発電事業者に対し、財務と電力の管理を支援するプラットフォームを提供している。また同社は、リミックスポイントが取得した熊本県の「宇城太陽光発電所」(出力:968.5kW)におけるFIP移行および蓄電池併設の共同実証にも参画しており、2026年春の運用開始を経て、運用最適化に関するノウハウの蓄積を進める予定である。

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