
(画像:パワーエックス)
蓄電池メーカーのパワーエックスは11月21日、東京証券取引所よりグロース市場への新規上場の承認を受けた。上場日は2025年12月19日の予定。
パワーエックスは今回の株式上場および第三者割当増資によって、最大約60億円の資金調達を目指す。調達資金のうち約49億円は、岡山県の既存工場敷地内に建設を計画している新工場に充て、製造能力の拡大を図る。
同社の2025年9末時点の年間生産能力は、コンテナ型大型定置用蓄電池「Mega Power」185基(507MWh)、中型定置用蓄電池「PowerX Cube」および蓄電池型急速EV充電器「PowerX Hypercharger」480基(171MWh)となっている。
残る調達資金は、約9.2億円を東京オフィスの移転費用に、約1.5億円をコンテナ型大型定置用蓄電池の後継機種「Mega Power 2500」の開発費に充てる予定だ。
同社の連結売上高は、2023年の3.27億円から2024年には61.61億円へと急拡大した。一方で、両年度ともに約57億円の経常損失を計上している。2025年は、売上高が約3倍の189億円に続伸し、経常損失は17億円まで縮小する見通しだ。また、定置用蓄電池の受注高は2025年1〜9月累計で417億円に達し、全受注額の約98%を占めている。これは、2024年通期の98億円から大幅増加となる。
パワーエックスは2021年に設立され、2022年8月からEV充電器および大型定置用蓄電池の受注を開始した。Mega Powerは当初、2MW/8MWh規模の高圧蓄電所に採用されていたが、その後、バンプージャパンが手掛ける福島県・宮崎県の特別高圧蓄電所(26MW/109MWh)向けに80基、上組が開発を進める兵庫県の「加西メガパワー蓄電所」(13MW/55MWh)向けに20基など、大型案件の受注にも成功している。また、同社は電力販売、蓄電所の開発・運営、電力輸送船の開発なども手掛けている。
同社のIPO(新規株式公開)は、日本での系統用蓄電所開発が加速する中で実施される。再エネの出力変動を吸収するためのインフラ整備が進むほか、FIT導入済みの太陽光発電所でも出力制御対策として蓄電池を後付けする動きが広がっている。今回の上場は、日本国内の電力業界における事業規模拡大などを目指すための取り組みであり、本年4月に上場したデジタルグリッドに続く事例となる。