JR九州とSustech、年間3GWhのバーチャルPPAを締結、西九州新幹線の運転用電力向け

2025年6月2日
JR九州が鉄道の運転用電力向けにPPAを締結するのは
初めてである(画像:MaedaAkihiko、CC BY-SA 4.0)

九州旅客鉄道(以下、「JR九州」)とSustechは5月29日、20年間のバーチャルPPAを締結したと発表した。非化石証書の供給は2026年6月に開始する予定だ。

同契約では、SustechがPPA向けに新設した太陽光発電所から、年間3GWh相当の非化石証書をJR九州に供給する。JR九州が鉄道の運転用電力向けに締結する初めてのPPAであり、昼夜を問わず、同社の鉄道事業の脱炭素化を推進することを目的としている。

JR九州は引き続き、従来の小売電気事業者から電力を調達し、今回調達する非化石証書を活用することで、西九州新幹線(武雄温泉駅〜長崎駅間、全長66km)の運転用電力を実質再エネ化する。

今回の取り組みは、鉄道の運行向けに複数のPPAを締結している東日本旅客鉄道西日本旅客鉄道に続く契約であり、JR各社は積極的にPPAを活用して脱炭素化を進めている。

エネハブのPPAデータベースによると、JR九州はこれまでに駅構内の電力利用を対象として、GPSSホールディングスおよびUPDATERと合計4MWのオフサイトPPAを、また1MW未満のオンサイトPPAを2件公表している。北海道旅客鉄道HARE晴れと2.8MWのオフサイトPPAを締結しており、同様に駅構内の再エネ化に取り組んでいる。

一方、Sustechは、これまでにニトリとオンサイトおよびオフサイトPPAを締結しており、2030年までにニトリの店舗や倉庫の屋上など合計180ヵ所の太陽光発電所を導入する予定だ。各拠点では消費を上回る電力を発電し、余剰電力を自社のプラットフォームを通じて他拠点に供給することで、グループ全体の再エネ活用を最大化する計画だ。

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