
初めてである(画像:MaedaAkihiko、CC BY-SA 4.0)
九州旅客鉄道(以下、「JR九州」)とSustechは5月29日、20年間のバーチャルPPAを締結したと発表した。非化石証書の供給は2026年6月に開始する予定だ。
同契約では、SustechがPPA向けに新設した太陽光発電所から、年間3GWh相当の非化石証書をJR九州に供給する。JR九州が鉄道の運転用電力向けに締結する初めてのPPAであり、昼夜を問わず、同社の鉄道事業の脱炭素化を推進することを目的としている。
JR九州は引き続き、従来の小売電気事業者から電力を調達し、今回調達する非化石証書を活用することで、西九州新幹線(武雄温泉駅〜長崎駅間、全長66km)の運転用電力を実質再エネ化する。
今回の取り組みは、鉄道の運行向けに複数のPPAを締結している東日本旅客鉄道や西日本旅客鉄道に続く契約であり、JR各社は積極的にPPAを活用して脱炭素化を進めている。
エネハブのPPAデータベースによると、JR九州はこれまでに駅構内の電力利用を対象として、GPSSホールディングスおよびUPDATERと合計4MWのオフサイトPPAを、また1MW未満のオンサイトPPAを2件公表している。北海道旅客鉄道はHARE晴れと2.8MWのオフサイトPPAを締結しており、同様に駅構内の再エネ化に取り組んでいる。
一方、Sustechは、これまでにニトリとオンサイトおよびオフサイトPPAを締結しており、2030年までにニトリの店舗や倉庫の屋上など合計180ヵ所の太陽光発電所を導入する予定だ。各拠点では消費を上回る電力を発電し、余剰電力を自社のプラットフォームを通じて他拠点に供給することで、グループ全体の再エネ活用を最大化する計画だ。