
西日本旅客鉄道(以下、「JR西日本」)と北陸電力は12月18日、新設する2MWの水力発電所を活用したオフサイトPPAを締結したと発表した。発電する電力は、北陸新幹線の運転用電力として使用する。また、両社は今年17MWの太陽光発電によるオフサイトPPAを同じく北陸新幹線向けに締結しており、今回太陽光発電の規模を48MWに拡大することにも合意した。
これにより、両社が合意した新幹線向け電力のPPAの総出力は、公表ベースで計50MWに達し、年間発電量は約63.3GWhとなる。2030年頃には北陸電力管内で運行する北陸新幹線の使用電力量の約26%相当が再エネ電力になる見込みである。
新設される水力発電所である「花立発電所」(出力:2MW)は石川県小松市を流れる大日川に建設され、2026年の着工、2030年頃の運転開始を予定している。同発電所は年間約11.3GWhの発電量を見込んでおり、北陸電力管内における北陸新幹線の使用電力量の約5%に相当する。
また、今年2月に締結した太陽光発電によるPPAでは年間約20GWhの発電量を見込み、北陸電力管内を走行する新幹線(糸魚川駅〜当時の終着駅であった金沢駅)の運転に使う電力量の約17%が賄えるとされていた。今年3月には北陸新幹線が延伸したことで同区間における電力需要が高まった。しかし、今回太陽光発電を48MWに拡大することで、2025年度末までに年間発電量が約52GWhに増加する見込みである。これは、同区間を走る新幹線の運転に使用する電力量の約21%に相当する。
エネハブのPPAデータベースによると、JR西日本はコスモエコパワーとの風力発電によるバーチャルPPAなど、他の沿線の運行に使用する電力の調達についても数多くのPPAを締結している。