
取り組むために開発を行っている
先月末、JR東日本エネルギー開発は「栗子山風力発電事業」(山形県米沢市)の陸上風力事業の開発を中止すると発表した。同社は、環境影響評価手続きの準備書に対する経済産業大臣の勧告に対応することで、スケジュールの遅延と追加コストが増大することを理由に挙げている。
経済産業省によると、同事業の開発により絶滅危惧種であるイヌワシ等の鳥類への環境保全措置を取るよう事業者に求めていた。
また、環境への影響のほかに、地域住民からの理解を得られなかったことも今回の判断に影響しているとみられる。同社は今年8月に住民説明会を行うなどしたが、住民の反対を受け、8月下旬には山形県知事から経済産業省に事業中止を求める知事意見が提出された。また、山形市からは計画の白紙撤回の申し入れがあった。
米沢市の近藤洋介市長は、計画の取りやめについて「速やかに賢明な決断をしていただいた。今回の計画には無理があり、地域との信頼構築がなかった」と記者会見の中で述べた。
JR東日本エネルギー開発は、2019年から同事業の検討を始めており、約260ヘクタールの土地に風力タービンを最大で10基設置し、最大34MWの風力発電事業を2029年3月に稼働することを目指して取り組んでいた。