JR東日本エネルギー開発と自治体の共同出資、40.8MW「かわうち鬼太郎山風力発電所」を運転開始

2025年3月12日
同発電所は、JR東日本エネルギー開発にとって5ヵ所目の
陸上風力発電所である(画像:JR東日本エネルギー開発)

JR東日本エネルギー開発は先月、同社が出資するSPC(特別目的会社)の川内復興エナジーが福島県川内村で「かわうち鬼太郎山風力発電所」(出力:40.8MW)を2月1日に運転を開始したと発表した。川内復興エナジーには、JR東日本エネルギーとともに福島発電と川内村も出資している。

同発電所は4.3MWの風力タービン10基を導入しているが、出力制御により出力は40.8MWである。年間発電量は93.4GWhを見込んでおり、発電した電力は、FIT(固定価格買取制度)のもとで、東北電力ネットワークに20年間売電する。同事業がFIT認定を受けた、2017年度の20kW以上の陸上風力発電のFIT価格は22円/kWh。

同事業の初期段階では、福島県、ジャパンウィンドエンジニアリングユーラスエナジーホールディングス、エコ・パワー(現:コスモエコパワー)が「福島阿武隈風力発電構想」として立案し、最大出力700MWの風力発電事業を計画していた。2016年2月には、環境影響評価手続きの第一段階である「計画段階環境配慮書」を提出し、福島県内の複数の市町村にまたがる約55,000haの敷地に200基の風力タービンを導入する予定だった。しかし、2017年2月に事業をJR東日本エネルギー開発に売却し、規模を縮小するとともに、現在の場所で事業開発をすることに変更した。

かわうち鬼太郎山風力発電所は、JR東日本エネルギー開発が保有する5ヵ所目の陸上風力発電所で、同社が運営する陸上風力発電所としては最大規模となる。これまで運営してきた4件はいずれも出力10MW未満だった。JR東日本エネルギー開発は、今年中に新たに8.6MWの風力発電所を2ヵ所、68MWの風力発電所を1ヵ所稼働する予定だ。また、来年には愛媛県で28MWの風力発電所の運転を開始する予定で、これは同社にとって東北地方以外で初めて運営する陸上風力発電所となる。

JR東日本エネルギー開発は、複数の陸上風力発電所を開発中だが、風力発電所を開発している他の企業と同様にインフレや円安によるコスト増加の影響を受けている。その一例として、2024年10月には山形県の「栗子山風力発電事業」(出力:最大34MW)を中止し、NHKによると、鳥取県の「新北条砂丘風力発電事業」(最大29.4MW)も中止すると今月に入ってから報じられている。

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