
(画像:大阪ガス)
東日本旅客鉄道(以下、「JR東日本」)と大阪ガスは10月28日、大阪ガスの完全子会社であるDaigasエナジーを通じて、バーチャルPPAを締結したと発表した。
2026年4月に「和歌山御坊バイオマス発電所」(出力:50MW)をFIPへ移行し、発電量に応じた環境価値を非FIT非化石証書として大阪ガスがJR東日本に供給する。これにより、JR東日本が調達する環境価値は同社のCO2排出量の約8%、年間350GWhに達する見込みで、単独需要家としては国内最大規模のバーチャルPPAとなる見通しだ。
同発電所は、2025年8月に運転開始した、木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を燃料とする木質バイオマス発電所で、FIT価格は24円/kWh(20年間)。運営主体は、エネウィルと大阪ガスがそれぞれ35%、SMFLみらいパートナーズが30%を出資する、和歌山御坊バイオマス発電合同会社である。
エネハブのPPAデータベースによると、JR東日本はこれまでに、日立パワーソリューションズが保有する秋田県の「能代落合風力発電所」(出力:1.2MW)をはじめ、三菱HCキャピタルエナジーが保有する宮城県の太陽光発電所(出力:36.0MW/AC)、久保田本店が保有する岩手県一関市の「油島穴ノ沢太陽光発電所」(出力:2.5MW/DC、1.6MW/AC)を活用したとみられる契約など、複数のPPA契約を締結している。
今回の契約は、年間を通じて安定供給が可能な再エネ電源への関心の高まりに加え、電力取引や小売事業の経験を持つ発電事業者が、従来のFIT制度から、より高い収益性を見込める可能性のあるFIP制度への移行を進める動きの一環である。
こうした動きは、中部電力ミライズが複数の法人需要家に供給する、広島県福山市の「福山バイオマス発電所」(出力:52.7MW)や、レノバが中核事業者として開発を進める「唐津バイオマス発電所」(出力:49.9MW)、さらに運転開始前にFIPへ移行したとみられる静岡県静岡市の「安倍川水力発電所」(出力:7.83MW)などに続く事例となっている。