
縮小するものの発電効率は大幅に改善する(画像:JERA)
JERAは6月18日、千葉県袖ケ浦市の「袖ケ浦火力発電所」(出力:3.6GW)のリプレース(建て替え)計画の検討に向け、環境影響評価配慮書の提出準備を開始したと発表した。
同計画では、LNGを燃料とする既設の蒸気タービン4基(総出力:約3.6GW)を廃止し、新たにガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)方式の発電設備3基(総出力:約2.6GW)を導入する予定だ。運転開始は2032年度以降を見込んでいる。
リプレース対象となる1〜4号機はいずれも汽力発電方式で、熱効率は約43%。そのうち、1号機(出力:600MW)は1974年に運転を開始し、経年劣化による設備利用率が低下したため、2023年2月以降は長期計画停止中である。2〜4号機(各出力:1GW)は1975〜1979年にかけて順次運転を開始しており、現在も稼働中である。
JERAは、2025年3月に3号機の運転を開始した「五井火力発電所」(総出力:2.34GW)において、GTCC方式により発電端熱効率約64%を達成しており、袖ケ浦火力発電所でも同等の高効率設備の導入が見込まれている。これにより、LNG冷熱の活用やCO2排出量の削減が期待されている。
また、2025年5月には、さくらインターネットと東京湾内のLNG火力発電所においてデータセンターを併設する計画が発表されており、東京湾内にある袖ケ浦火力発電所もその候補地である可能性もある。
袖ケ浦火力発電所は当初、東京電力フュエル&パワーが運営していたが、2019年に同社と中部電力の火力発電事業が統合され、現在はJERAが運営を引き継いでいる。JERAは千葉県内に5ヵ所の火力発電所を保有しており、老朽設備から高効率な設備への更新を段階的に進めている。