
力を入れている(画像:JAPEX)
石油資源開発(以下、「JAPEX」)、静岡ガス&パワー、東京エネシスなど8社は4月1日、出資する愛知県田原市の「田原バイオマス発電所」(出力:50MW)が同日運転を開始したと発表した。
年間発電量は約350GWhを見込んでおり、FIT(固定価格買取制度)を活用し、中部電力パワーグリッドに24円/kWhで20年間売電する予定だ。燃料は、輸入木質ペレットを使用する。
O&M(運用・保守)は東京エネシスが担当し、アセットマネジメントはJAPEXの子会社であるジャペックスグリーンエナジーが実施する。また、事業のSPC(特別目的会社)である「田原バイオマス発電所合同会社」の運営管理は、静岡ガス&パワーの親会社の静岡ガスが行う。
建設工事は2023年3月に開始し、三菱重工業が施工、東京エネシスがオーナーズエンジニアリングを担当した。同事業には、SBI新生銀行をアレンジャーとする銀行団によるプロジェクトファイナンスを組成した。
田原バイオマス発電所は、事業会社との匿名組合契約に基づき、次の出資比率で運営している。JAPEXが39.9%、静岡ガス&パワーおよび東京エネシスがそれぞれ20.0%、川崎近海汽船が7.0%、第一実業が6.0%、岩谷産業が5.0%、EFインベストメントが2.0%、Solariant Capitalが0.1%となっている。
JAPEXが中心となって運営するバイオマス発電所は、2024年12月に運転を開始した山口県下関市の長府バイオマス発電所(出力:75MW)に続き、2ヵ所目となる。また、同社は前田建設が過半数を出資する、愛媛県大洲市の「大洲バイオマス発電所」(出力:50MW)の事業にも携わっており、2024年8月に運転を開始している。
田原市は渥美半島の大部分を占め、海に囲まれ、燃料を輸入しやすい環境にある。これにより、JAPEXの事業に加えて、丸紅、エネウィル、大阪ガスが出資する愛知田原バイオマス発電所(出力:75MW)など、同市には複数のバイオマス発電所が立地している。