HSE、北海道で最大280MW陸上風力の環境影響評価手続きを開始、2040年代半ばの運転開始を目指す

2025年6月3日
HSEは三菱HCキャピタルが過半数を出資する風力発電の
開発事業者である(画像:パワーエックス)

再エネ事業を手掛けるHSEは5月30日、北海道苫前地域において計画している陸上風力発電事業(最大出力:280MW)について、「計画段階環境配慮書」を公表し、環境影響評価手続きを開始した。

同文書によると、出力4~6MWの風力タービンを最大70基設置する計画で、発電所の事業実施想定区域は北部(主に初山別村)、中部(羽幌町)、南部(主に苫前町)の3エリアに分かれている。

着工は2031年度、運転開始は2046年度を目指している。こうした大規模な風力発電事業では、今後の環境影響評価手続きの過程で、複数の小規模事業に分割され、段階的に建設・運転を進めていく可能性がある。

苫前地域は風況に恵まれており、周辺にはすでに複数の風力発電所が稼働している。南部エリアには、2020年に運転を開始した「苫前夕陽ヶ丘風力発電所」(出力:2.2MW)が隣接している。さらに南側には2022年と2023年にそれぞれ運転を開始した「ユーラス苫前ウインドファーム」(出力:20MW)とジェイウインドの「新苫前ウィンビラ発電所」(出力:30.6MW)が稼働中である。

また、HSEの計画地北側では、ユーラスエナジーが大規模な陸上風力発電事業(最大出力:650MW)を計画中で、同社は2022年より環境影響評価手続きを進めている。当初は約350MW規模で計画されていたが、2023年に公表された「環境影響評価方法書」において、大幅な規模の拡大が明らかとなった。

HSEは三菱HCキャピタル(出資比率85.1%)と日立パワーソリューションズ(同14.9%)による合弁会社で、現在は子会社を含め、29ヵ所の風力発電所を稼働している。また、建設中の5ヵ所の風力発電事業にも出資している。

直近では、新潟県で「新潟市海辺の森風力発電所」(出力:6MW)の運転を開始し、発電した電力はTOPPANホールディングスとのオフサイトPPAに基づき、同社の事業所に供給されている。

電力市場に関わる最新のニュースをメールで毎週受け取りたい方は、ぜひエネハブのニュースレター(無料)にご登録ください。

その他の電力市場最新ニュース

月次レポート

電力市場&市場トラッカーのサンプル(過去号の完全版)をご希望の方は以下のフォームよりお知らせください。メールでお届けします。