
(画像:Saft)
再エネ開発事業を手掛けるシンガポールのGurīn Energyは6月12日、福島県相馬市で計画中の大規模系統用蓄電所(240MW/1GWh)について、仏Saft製のリチウムイオン蓄電システムなどを採用すると発表した。これは同社にとって日本国内での初号案件となり、2026年の着工を予定している。
Saftはリチウムイオン電池に加え、提携企業と連携して電力変換・電力管理システムを提供する。また、自社開発のクラウド監視・データ管理システム「I-Sight」を導入するほか、蓄電池の設置、運転開始、保守も担う。
Gurīn Energyは2023年12月に日本市場への参入を表明した。当初は福島県または栃木県で500MW/2GWh規模の案件を検討しており、TMEIC製の蓄電システムを導入し、日本工営エナジーソリューションズがエンジニアリング・コンサルティングを担当する計画であった。総事業費は910億円、2026年の着工を目指していた。
現時点では当初の計画が継続しているかどうかは不明だが、相馬市での案件に規模を縮小して見直した可能性もある。なお、これまでのところ、長期脱炭素電源オークションの落札案件や経済産業省の補助金の交付対象に相馬市の案件はなく、補助を受けずに開発を進めていくとみられる。
なお、福島県ではこのほかにも、Bison energyが2024年度の長期脱炭素電源オークションにおいて、150MW/1GWh規模の系統用蓄電所を落札している。同蓄電所は、最大出力を重視した運転継続時間約4時間の設計となっている。