
不動産事業を手掛けるfantasistaは8月1日、群馬県太田市で開発を進めていた「群馬太田蓄電所」(容量:8.14MWh)の運転を開始したと発表した。同蓄電所はfantasistaにとって初の系統用蓄電所となる。
当初は2024年12月の運転開始を予定していたが、蓄電池などの設備変更によりスケジュールを変更し、2024年10月に着工した。
fantasistaの完全子会社のNC MAX WORLD傘下のfantasista battery1が運営を行い、EPC(設計・建設・調達)はスズカ電工が担当した。電力の運用は関西電力の完全子会社であるE-Flowが担い、卸電力市場、需給調整市場、容量市場で取引を行う予定だ。
fantasistaは同蓄電所の運用実績をもとに、複数の蓄電所開発を進め、将来的には特別高圧(出力:2MW超)の蓄電所の建設を目指す方針だ。
同社は群馬太田蓄電所のほかに、2025年6月末時点で12ヵ所・計97.68MWh相当の用地を取得済みで、さらに同年9月末までに17ヵ所・計138.38MWh相当の土地を追加取得する予定である。すべての事業用地で開発を行うと、蓄電容量は236MWhに達する見込みだ。
2025年7月18日付の開示では、取得済みおよび取得予定のすべての案件について一般送配電事業者から接続検討回答を受領済みとしており、初期の課題であった系統連系の不確実性は緩和されたとみられる。なお、奈良県大和高田市の案件は、2025年6月度に事業性・収益性の観点から取得を断念した。
経済産業省は系統用蓄電所の迅速な連系に向けて2025年4月から「充電制限契約」の適用を開始した。これは、蓄電池に充電する際に系統の運用容量を超過する可能性がある場合に、充電制限に同意することを条件として、早期連系を可能とする措置である。