
太陽光パネル製造大手のカナディアン・ソーラーのファンド、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は9月3日、茨城県笠間市に保有する太陽光発電所「CS笠間市第三発電所」(出力:13.6MW/DC、12.0MW/AC)で電気ケーブルの盗難が発生し、一部の発電が停止していると発表した。
発電所のO&M(運用・保守)を受託するカナディアン・ソーラーO&Mジャパンの報告によると、被害は9月2日夜から3日朝にかけて発生。その後、警察による現場検証を経て被害届を提出したという。今後は応急復旧工事を実施し、発電の全面的な再開を目指す。再発防止策や損失額については、詳細が確定次第、公表する予定だ。
同発電所のFIT価格は32円/kWhだが、月次の想定発電量の70%相当を基本賃料として設定しているため、一部発電停止によるファンドの収入への影響は限定的としている。
同投資法人は、2024年には岐阜県の発電所で、2025年5月にも福島県郡山市の「CS郡山市発電所」(出力:636kW/DC、500kW/AC)で同様の被害を受け、復旧工事と防犯強化を実施している。
金属類の盗難は全国的に急増しており、警察庁の統計によると、年間の金属盗件数は2020年の約5,500件から2024年には約2万件に拡大した。2024年の被害額は約140億円に達し、このうち半数以上が金属ケーブルによるものだった。材質別では銅が全体の過半数を占め、被害額ベースでは約98億円と全体の約7割に上った。
太陽光発電施設でのケーブル盗難の検挙率は5~6%にとどまるなど、深刻な状況が続いている。
こうした背景を受け、政府は2025年3月に金属買取業者への規制強化を含む「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)」を閣議決定し、同年6月に成立・公布した。すでに9月1日からはケーブルカッターやボルトクリッパーを正当な理由なく隠して携帯することを禁じる「犯行用具規制」が施行されており、金属盗対策法は公布から1年以内に施行される予定だ。