
再発防止策としてアルミケーブルを採用した
(画像:カナディアン・ソーラー・プロジェクト)
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は7月1日、福島県郡山市の太陽光発電所「CS郡山市発電所」(出力:636kW/DC、500kW/AC)において、2025年5月に発生した電気ケーブルの盗難被害からの復旧工事と防犯強化工事が完了し、発電所の稼働を再開したと発表した。
同発電所では、2025年5月の被害発生時以降、一部で発電が停止した状態が続いていた。同社は再発防止策として、発電所進入路への門扉設置、被害箇所のアルミケーブルへの変更、地面に露出していたケーブルをコンクリートで埋設する工事を実施した。復旧にかかった費用は約400万円としている。同発電所では月次の想定発電量の70%相当を基本賃料として設定しており、ファンドの収入への影響は限定的としている。
なお、同発電所はFITの認定を受けており、FIT価格は32円/kWh。契約期間は2036年9月までとなっている。
金属類の盗難は全国的に急増しており、警察庁の統計によると、金属の窃盗事件は2020年の約5,500件から2024年には年間2万件に拡大した。2023年の被害総額は約133億円で、このうち半数以上が金属ケーブル、材質別では銅が約7割を占めた。
太陽光発電所を狙った金属盗難は同投資法人でも継続的な課題で、2024年には岐阜県の発電所でも被害が発生している。こうした状況を受け、政府は金属買取業者への規制強化を含む「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律案」を閣議決定し、2025年6月13日付で国会で成立している。また、6月20日に公布され、公布から一年以内に施行される予定である。