
少なくとも900MWhの蓄電容量を持つとみられる
再エネの開発を手掛けるBison energyは4月30日、2024年度の長期脱炭素電源オークションにおいて、系統用蓄電所3件を落札したと発表した。調整係数適用後の落札容量は合計197.8MWで、各案件は、福島県、新潟県、福井県にそれぞれ立地する。
運転開始時期は、同オークションに基づく規定により2029年度末までに運転を開始する必要があるが、Bison energyは具体的なスケジュールについて現時点では非公表としている。
電力広域的運営推進機関によると、今回のオークションで落札された蓄電池容量は合計1.37GWであり、Bison energyの落札分は全体の約14%を占める。
福島県の「Battery No.22蓄電所」(出力:150MW/落札容量:129.8MW)は運転継続時間が6時間以上、新潟県の「Battery No.31蓄電所」(出力:50MW/落札容量:37.8MW)と福井県の「Battery No.32蓄電所」(出力:40MW/落札容量:30.1MW)は運転継続時間が3時間以上6時間未満の区分に該当する。これらに対して、落札価格に基づく容量収入が原則20年間支払われる。
Bison energyの広報担当者によると、同社は各蓄電所の蓄電容量を現時点では非公表としているが、出力と運転継続時間による情報に基づくと、Battery No.22蓄電所は少なくとも900MWh以上の蓄電容量があるとみられる。これは現時点では最大規模の蓄電所となる。
Bison energyは2016年に東京で設立され、当初は太陽光発電所事業に注力していたが、現在は系統用蓄電所事業にも参入している。同社は2028年までに累計3GW/12GWhの蓄電所開発を目指しており、2024年11月にはインフラ投資大手のI Squared Capital傘下のHEXA Renewablesからの資金調達を受け、太陽光発電所と蓄電所を共同開発すると発表した。さらに2025年2月には、電力取引を展開するエンゲルハートCTP(旧:Trailstone)と蓄電所の最適化に向けた提携も発表している。