
ITおよびデジタル広告事業を手掛けるAIストーム(旧社名:ジェクシード)は10月1日、新規事業として系統用蓄電所の開発に着手したと発表した。初案件は、宮崎県高鍋町で、今後3~4年間で全国20ヵ所で建設を進める。
AIストームは、同事業において総額100億円超の投資を計画しており、1案件あたり約5億円、主に2MW/8MWh規模の高圧蓄電所に注力するとみられる。今後は地方自治体やパートナー企業と連携しながら、自社の強みであるAI技術の活用を進める。具体的には、クラウドシステムと気象予報データを連携させ、AIによる充放電の最適化に向けた開発を行う。
同社の第1号案件は、2025年8月に取得した宮崎県高鍋町の用地に建設される「高鍋高圧蓄電池事業」(2MW/8MWh)である。Huawei製の蓄電池を採用し、同年9月に建設開始、2026年5月の運転開始を見込んでいる。稼働後のアグリゲーション業務は、デジタルグリッドが担う。
AIストームは1964年に設立され、2003年に上場を果たした。主に、IT・デジタル広告分野を中心に事業を展開してきたが、再エネの普及に伴う蓄電インフラの需要拡大とAI技術とエネルギー分野の融合を見据えて、参入を決めた。
なお、同様に異業種からの参入事例としては、不動産事業を展開するADワークスグループや、ファッション事業を手掛けるスターシーズなどがある。AIストームもこうした動きに続き、蓄電所事業を新たな収益の柱と位置づけている。