ADW、熊本で2件目の系統用蓄電所用地を取得、2026年8月運転開始予定

2025年10月4日
融資を活用し、年内に最大5ヵ所の用地取得を目指す

投資用不動産の売買・開発を手掛けるADワークスグループは9月30日、子会社のエー・ディー・ワークス(以下、「ADW」)が熊本県益城町で系統用蓄電所の建設用地を取得したと発表した。運転開始は2026年8月を予定している。

取得したのは、敷地面積1,274m2の事業用地である。蓄電所の具体的な規模については公表されていないものの、同社の開発戦略や敷地面積から、2MW/8MWh規模の高圧蓄電所とみられる。

ADWにとって蓄電所の開発はこれが2件目となる。第1号案件は三重県松阪市で建設が進められており、2026年1月の運転開始を予定している。三重県の案件では自社資金による用地取得だったが、今回の熊本県での案件については、複数の金融機関と融資に関する協議を行っており、融資を活用する形で、年内に最大5ヵ所の用地取得を目指している。

ADWは系統用蓄電所を新たな収益の柱と位置づけている。2024年度の税引前利益は25億円を計上しており、2034年度には200億円への拡大を目指す。主に開発期間が約1年と短く、初期投資額を抑えられる2MW以下の高圧蓄電所を中心に、事業の拡大を目指す。

不動産事業で構築した情報網を活用しやすいという特性もあり、不動産業から系統用蓄電所事業への新規参入が相次いでいる。例えば、fantasistaは初案件となる「群馬太田蓄電所」(容量:8.14MWh)を2025年8月に運転開始し、全国29ヵ所での用地取得を進めている。また、レオ・コーポレーションも系統用蓄電所事業への参入を公表し、全国11ヵ所で高圧蓄電所(各2MW/8MWh)を開発する計画を示している。

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