
系統用蓄電所の開発を進める
収益不動産事業を展開するADワークスグループ(以下、「ADWG」)は4月3日、子会社のエー・ディー・ワークス(以下、「ADW」)が系統用蓄電所事業に参入すると発表した。すでに1ヵ所目となる事業用地の取得を完了しており、2026年1月の運転開始を目指して開発を進めている。
現在は、1ヵ所目に導入予定の蓄電所設備の発注準備段階にあり、あわせて2〜3ヵ所目となる事業用地の選定も進めているという。なお、蓄電所の設備容量や所在地などの詳細は現時点では公表されていない。
電力取引については、アグリゲーターへの委託を予定しており、卸電力市場、需給調整市場、容量市場で取引を行う予定だ。
ADWは不動産事業を通じて蓄積した情報力と土地選定力を強みに、迅速な適地の確保を目指すとしている。1ヵ所あたり約1,500㎡の小規模用地を活用することで、大規模蓄電所と比べて、短期間で事業を立ち上げられると見込んでいる。また、成長著しい蓄電所市場に早期参入することで、将来的な事業機会の拡大を想定しており、稼働済みの蓄電所をファンド化する構想も検討中だ。
太陽光発電や風力発電などの変動性電源の増加を背景に、エネルギー業界に限らず異業種からの系統用蓄電所事業への参入が相次いでいる。不動産業を手掛ける和田興産もその一例で、2025年7月には初の系統用蓄電所「丹波篠山幡路蓄電所」(2.0MW/7.4MWh)の運転開始を予定している。