
浮体式洋上風力発電所である(画像:戸田建設)
電力広域的運営推進機関は4月28日、2024年度の長期脱炭素電源オークションの約定結果を発表した。今回のオークションでは、合計13.6GWの応札があり、落札容量は6.3GW(落札率:約47%)、落札電源は計38件である。
主要な落札電源の内訳
- 原子力発電:落札容量のうち約50%である3.15GW(3件)を占め、具体的には日本原子力発電の東海第二発電所、北海道電力泊発電所3号機、東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所6号機が落札された。これらは、既設の原子力電源の安全対策投資枠として2024年度から創設された募集量のもとでの落札だ。
- 蓄電池:落札容量全体の約22%に相当する約1.4GWが落札され、全落札件数38件のうち27件を占めた。これらのうち、21件は運転継続時間が3時間〜6時間未満、残りの6件は運転継続期間が6時間以上の蓄電池だ。2023年度の第1回目の長期脱炭素電源オークションと比較して、蓄電池容量が約25%多く落札されたことになる。
- LNG専焼火力:「脱炭素電源」とは別区分であり、全体の落札容量の約21%に相当する1.3GW(4件)が落札された。
残りの落札容量は、一般水力(調整式)が1件、運転継続時間が6時間以上の揚水発電が2件、既設火力のアンモニア混焼への改修が1件。応札のなかった電源は、第1回目のオークションで落札された、既設火力の水素混焼への改修やバイオマス電源である。また、運転継続時間3時間〜6時間未満の揚水発電で応札のあった98MWは落札されなかった。
電源毎の落札率では蓄電池が最も低く、約20%に留まった。全体のエリア別の落札率は低いエリア順に九州が約10%、東北が約16%、中部が約21%。
長期脱炭素電源オークションは、容量市場の一部として2023年度に創設され、再エネや蓄電池、低炭素電源や脱炭素社会に向けた移行期にある電源と位置付けられているLNG火力などに安定した収入源を提供することを目的として始まった制度である。