
日本卸電力取引所(JEPX)によると、2025年度分の第1回非化石価値取引市場(開催機関:8月21日〜8月29日)の結果を公表した。取引総量は約21.8TWhに達し、過去の第1回と比べて大幅な取引が成立した。
内訳はFIT証書が20,976GWhと大半を占め、非FIT証書(再エネ指定あり)が358GWh、非FIT証書(再エネ指定なし)が431GWhだった。
FIT証書の約定価格は0.4円/kWh〜4.0円/kWhの範囲だったが、加重平均は0.4円/kWhにとどまり、最高価格で約定した事業者はごく少数とみられる。
一方、非FIT証書の取引では動きがみられた。「再エネ指定あり」の非FIT証書が0.91円/kWhで落札され、制度開始以来、第1回として初めて設定最低価格(0.6円/kWh)を上回る結果となった。また、入札量では過去2年度分の第1回と比べ、今回買い入札量が売り入札量を上回る展開となった。なお、買い入札量に対して、2023年度第1回は6.3倍、2024年度第1回は2.3倍の売り入札があった。
ただし、今回約定を得たのは入札会員57者中19者にとどまり、前年度(入札会員35者全員が約定)と比べて、限られた事業者によって約定された。
また「再エネ指定なし」の非FIT証書も0.72円/kWhで落札され、2021年度以来の高値となった。買い入札量は17,819GWhで、売り入札量の約29倍にのぼった。
各取引結果は以下の通り。
FIT証書の取引結果
- 方式:マルチプライスオークション
- 約定価格:0.4〜4.0円/kWh、平均0.4円/kWh(約定量加重平均)
- 約定量:約21.0TWh(取引総量の約96.3%)
- 入札状況:売り入札量30.9TWhに対し、約定率は68.0%
非FIT証書(再エネ指定あり)の取引結果
- 方式:シングルプライスオークション
- 約定価格:0.91円/kWh
- 約定量:358GWh(全体の約1.6%)
- 入札状況
売り入札量953GWh、買い入札量17,887GWh(約19倍)
非FIT証書(再エネ指定なし)の取引結果
- 方式:シングルプライスオークション
- 約定価格:0.72kWh/kWh
- 約定量:431GWh(全体の約2.0%)
- 入札状況
売り入札量624GWh、買い入札量17,819GWh(約29倍)