
(画像:静岡ガス&パワー)
静岡ガスのグループ会社である静岡ガス&パワーは7月29日、静岡県富士市の「富士発電所」(出力:32.6MW)にガスエンジン発電設備を2基(各出力:7.8MW)増設すると発表した。新たに導入するのは、いずれも川崎重工業製で、2025年冬に着工、2027年度中の運転開始を予定している。
増設により、同発電所の総出力は32.6MWから48.2MWに拡張される。自社発電比率の向上を通じて、電力の安定供給と調達コストの低減を図るのが狙いである。あわせて、静岡ガス&パワーは、富士発電所の電力を地域の需要家向けの小売プランとして供給するほか、容量市場および需給調整市場への供出も計画している。
同発電所は、2016年にガスエンジン発電設備2基と、ガス差圧発電設備2基を組み合わせた合計17MWで運転を開始した。その後、2023年末には今回の拡張計画と同じ川崎重工製のエンジンを追加導入し、出力を32.6MWに拡張した。
静岡ガス&パワーは、ガス火力発電に加え、再エネへの取り組みも強化している。愛知県田原市で石油資源開発(JAPEX)主導のもと2025年4月に稼働を開始した「田原バイオマス発電所」(出力:50MW)に出資するほか、同年5月にはウィンフィールドジャパンと太陽光発電所の開発で業務提携を結んだ。
また、静岡市では、同グループ初となる系統用蓄電所(13.0MW/46.9MWh)の建設を計画しており、2025年の着工、2027年度の運転開始を目指している。なお、同蓄電所は経済産業省の2024年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業補助金」の採択を受けて、進めている。