
電源開発(以下、「Jパワー」)は10月7日、宮城県大崎市で計画する「(仮称)高日向山地域地熱発電計画」(出力:14.9MW)に関する「環境影響評価方法書」を経済産業省および関係自治体に提出したと発表した。2028年度以降に着工し、2032年度以降の運転開始を目指す。
同地熱発電所は、鳴子温泉地域の約206,000m2の事業想定区域での開発が予定されており、2025年3月に「計画段階環境配慮書」を提出して環境影響評価手続きを開始した。これに先立ち、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の資源量調査事業に採択されて現在、電磁探査や掘削調査を通じて地熱資源量の確認を進めている。
Jパワーは、同地域にすでに「鬼首地熱発電所」(出力:14.9MW)を保有しており、三菱マテリアル、三菱ガス化学との合弁会社を通じて、秋田県湯沢市の「山葵沢地熱発電所」(出力:46MW)、岩手県八幡平市の「安比地熱発電所」(出力:14.9MW)も運営しており、今回の計画は4件目の地熱発電事業となる見通しだ。
日本の地熱資源量は推計23GWとされており、米国・インドネシアに次ぐ世界第3位のポテンシャルを有する。一方で、温泉地への影響や国立公園における規制などにより、新規案件の開発は依然として限定的だ。こうした中、直近では地熱開発を手掛けるスウェーデンのBaseload Capitalが、地域共生型の地熱開発を展開するふるさと熱電への戦略的投資を発表し、日本における地熱資源の活用促進を目指している。