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電源開発(以下、「Jパワー」)は6月5日、完全子会社ジェイウインド上ノ国が北海道上ノ国町で開発している「上ノ国第三風力発電所」(出力:51.6MW)の建設を開始したと発表した。運転開始は2028年9月を予定している。
同発電所は、2024年5月に運転を開始した「上ノ国第二風力発電所」(出力:41.5MW)に隣接する立地にあり、出力4.3MWの風力タービン12基で構成される。2023年度の陸上風力追加入札において、FIP価格11.98円/kWhで落札した。
発電する電力は卸電力市場を通じて売電し、非化石価値証書は、JパワーとKDDIが締結した20年間のバーチャルPPAを通じて供給する。なお、この契約は2025年3月に公表されたものである。
Jパワーは現在、国内で20ヵ所以上の陸上風力発電所を運転しており、合計出力は550MWを超える。北海道ではすでに9ヵ所を展開しており、上ノ国第三風力発電所が10ヵ所目となる。そのほか、東北エリアで8ヵ所(合計出力:約261MW)、中部エリアで3ヵ所(合計出力:約58MW)、四国・北陸・九州エリアではそれぞれ1ヵ所を運転している。
Jパワーが2024年5月に発表した「J-POWERグループ 中期経営計画2024-2026」によると、同社は2030年度までに国内の再エネ発電量を2022年度比で年間4,000GWhに拡大する目標を掲げており、コーポレートPPAの活用を通じて環境価値の最大化を目指す方針だ。
また陸上風力においては、新規開発に加え、既存設備の大型風力タービンへのリプレース(建て替え)工事を推進している。その一例が、2007年に運転を開始した「郡山布引高原風力発電所」のリプレースとして計画されている「(仮称)新郡山布引高原風力発電所」(出力:65.98MW)である。2025年5月には、同発電所の環境影響評価準備書が公表され、手続きが順調に進んでいることが明らかになった。