関西電力、1.8GW「南港発電所」の設備更新に向け、環境影響評価準備書を提出

2025年7月29日
南港発電所は関西電力で最も古いLNG火力発電所である
(画像:KishojiRapid、CC BY-SA 3.0)

関西電力は7月17日、大阪府大阪市にあるLNG火力の「南港発電所」(総出力:1.80GW)の設備更新計画に関する環境影響評価準備書を提出した。同発電所は老朽化に伴い、2025年3月31日をもって運転を終了している。

南港発電所では、1990年11月〜1991年10月にかけて運転を開始した1号機〜3号機(各出力:600MW)の3基が稼働していた。いずれも汽力発電方式のタービンを採用しており、設備の老朽化が進んでいた。

同計画では、新1号機〜新3号機(各出力:621MW)に高効率のコンバインドサイクル(GTCC)方式のタービンを新設する予定である。

総出力はこれまでの1.80GWから1.86GWへと増加し、発電効率も従来の約44%から約63%に向上する見込みだ。関西電力は、環境影響評価の手続きを2023年3月に開始し、同年11月に「方法書」を提出した。今回の準備書はそれに続くもので、出力の増加や発電効率の向上といった計画の見直しも行った。

更新工事は2026年8月に着工し、当初の計画よりも1年遅れの2030年度の運転開始を目指す。また、新設する3基はいずれも、2023年度の長期脱炭素電源オークションで落札しており、将来的には水素やアンモニア火力への転換、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の導入によってCO2排出量を削減する計画である。

南港発電所は、関西電力が保有する8つの火力発電所の一つであり、最も運転年数の長いLNG火力発電所である。なお、LNG火力発電所は、大阪府の「堺港発電所」(出力:2.0GW)、兵庫県の「姫路第一発電所」(出力:1.4GW)および「姫路第二発電所」(出力:2.9GW)の3ヵ所が現在稼働中である。

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