葛尾村、福島県で15MW「葛尾風力発電所」を運転開始、民間企業3社と共同開発

2025年5月23日
葛尾風力発電所は、福島阿武隈風力構想から派生した
事業の一つである(画像:九電工)

福島県葛尾村は5月12日、同村で建設を進めていた「葛尾風力発電所」(出力:15MW/AC)について、4月1日より運転を開始したと発表した。

出力3.2MWの風力タービンを5基設置し、年間発電量は39GWhを見込んでいる。事業主体は、葛尾村と九電工など3社が共同出資する合弁会社、葛尾風力である。

同発電所は、東日本大震災および福島第一原発事故の影響を受けた地域の復興促進を目的とした「福島県再エネ復興支援事業」の一環として開発された。2016年には、「(仮称)福島阿武隈風力発電構想」(最大出力:700MW)として環境影響評価手続きを開始。その後、複数の事業に分割し、「(仮称)葛尾風力発電事業」として開発を進めた。着工は2023年8月、完工は2025年2月。

葛尾風力発電所は2017年9月に陸上風力(20kW以上)としてFIT認定を受け、FIT価格は22円/kWh。その翌月から同区分のFIT単価が21円に引き下げられたため、価格変更の直前に認定を取得したことになる。発電した電力は、東北電力ネットワークに全量売電する。

事業主体の葛尾風力発電は、葛尾村が株式の33%を保有し、残りは九電工、北拓エネルギーメンテナンス研究所、ジャパンウィンドエンジニアリングの3社が出資。詳細な株式比率は非公表である。

ジャパンウィンドエンジニアリングは、同じく2025年4月に運転を開始した「阿武隈風力発電所」(合計出力:147MW)にも参画している。同発電所は、日本最大級の陸上風力発電所の一つであり、葛尾風力発電所と同様に福島阿武隈風力発電構想から派生した案件である。

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