
苫小牧港開発(以下、「TMK」)、石油資源開発(以下、「JAPEX」)、日本政策投資銀行は9月16日、「北海道苫小牧太陽光発電所」(出力:13MW)の新設事業で業務提携したと発表した。匿名組合契約による3社の出資割合は、TMKが33.4%、JAPEXと日本政策投資銀行がそれぞれ33.3%である。
発電所の開発・運営は苫小牧TJDソーラーが担当し、TMK明野北工業団地内の約19.2haの敷地に建設される。2025年9月に着工し、2028年8月の運転開始の予定。発電によって得られる非化石証書は、バーチャルPPAに基づき清水鋼鐵に供給される。これにより同社は、苫小牧製鉄所における年間電力消費量約30%分のCO2を削減できる見込みだ。
電力広域的運営推進機関によると、本件は8月に開催された「太陽光第25回入札(2025年度第2回)」で7.36円/kWhのFIP価格で落札している。
石油・ガス探鉱・生産を主力事業とするJAPEXがアグリゲーターとしてバーチャルPPAに参加するのは、本件が初めて。同社は近年、経営の多角化を目指して発電事業にも積極的に参入しており、福島県で県内発の大型LNG火力発電所である「福島天然ガス発電所」(出力:1.18GW)を三井物産、大阪ガス、三菱ガス化学、北海道電力と共同出資をして2020年に運転を開始している。
また、2024年12月に運転開始した山口県下関市の「長府バイオマス発電所」(出力:74.95MW)や、2025年4月に運転開始した愛知県田原市の「田原バイオマス発電所」(出力:50MW)に共同出資するとともに、飯野海運と秋田県男鹿市にある自社の遊休地に「秋田申川(さるかわ)太陽光発電所」(出力:約500kW)の建設を計画し、2025年12月の運転開始を目指している。
さらに、2025年8月には、千葉県千葉市にある同社の技術研究所構内で、同社初となる系統用蓄電所「JAPEX美浜蓄電所」(2MW/6MWh)の運転を開始した。