経産省、原発運転期間の算定方法と審査基準を明確化、2025年6月6日から施行

2025年4月3日
事業者に起因しない運転停止期間は、60年間の
運転期間から除外して計算される

経済産業省の専門家会合(原子力部会)は3月24日、原子力発電所の運転期間について、60年間の制限から特定の期間を除外する、改正電気事業法に関する審査基準の策定の議論を行った。

この改正法は2025年6月6日から施行され、事業者にとっては、外的要因で運転が停止していた期間が除外対象となる一方、事業者の不正行為などによる運転停止期間は運転期間に含まれることになる。

具体的には、法令の制定・改正や運用の変更、行政処分の取消し・無効、行政指導、仮処分命令、予見が困難な事由による運転停止期間は除外対象となる。

同会合では、除外対象となる具体的な事例も挙げられた。例えば、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所では、事業者の保安上の不備により、原子力規制委員会が核燃料移動を禁じた命令が2021年〜2023年まで有効だった期間や、日本原子力発電の敦賀発電所2号機で地質調査データの書き換えが発覚し、新規制基準に基づく適合性審査が中断した期間などが、事業者に起因する運転停止期間であるとした。

さらに、40年を超える運転認可の権限が従来の原子力規制委員会から経済産業大臣に移管されることも決定した。事業者は、30年目以降も発電所を運転する場合、原子力規制委員会の認可を10年毎に受ける必要がある。具体的には、発電所の高経年化の技術評価と劣化管理のための「長期施設管理計画」の認可申請を行うこととなる。

先日、定期検査を経て運転を再開した関西電力の大飯発電所4号機は、6月6日の改正法施行を見据え、2023年12月に長期施設管理計画を原子力規制委員会に提出し、2024年6月に認可を受けた。同発電所は1992年に運転を開始しており、すでに運転開始から30年以上が経過している。

政府は第7次エネルギー基本計画において、2040年度の電源構成における原子力の割合を20%とする目標を掲げており、既存の原子力発電所を長期的に活用することがその達成に不可欠であるとされている。

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